
商品化権許諾契約のこと
商品化権許諾契約をレビューする機会がありました。
「商品化権許諾契約」とは、著作物を利用した商品の製造販売を許諾する契約であり、著作権法上の複製権や譲渡権、翻案権を主とした許諾契約に当たります。
ただし、この契約の対象となる「商品化権」とは、上記の翻案権などの著作権のみではなく、商標権、意匠権、あるいは不正競争防止法上の保護による、複合的な権利と考えられています。
許諾を受ける側は当然ながら受け身で、どちらかというと弱い立場になります。
基本的には、相手方の提示契約書の内容は修正が難しいのですが、クライアント側の実施可能な範囲にしてもらう必要があります。
まずは、クライアントにインタビューして契約書に記載している義務の対象が実施可能か否かを確認します。
そして、契約の履行のうえでのリスクを説明し、どうしても譲れない点や明らかに間違いだと思われる点を指摘し、修正案を提示するしかできませんでした。
契約は、当然相手方のあるものですから、どちら側に立つかにより対応も異なります。
過去に許諾する側の契約書も書いたことがあるのですが、万全を期すために、書き過ぎてしまうことが多々ありました。しかし、実際のビジネスの現場では実施しない(あるいはできない?)ことも多いので、契約に定める義務の履行を確実にするために、、記載内容に微妙な匙加減が必要です。
今回は、あらためてビジネス現場での実現可能性の確認の重要性を思い起こさせてくれた案件でした。