内容証明

内容証明

内容証明とは

内容証明郵便(以下「内容証明」という。)とは、「いつ、誰が誰宛に、どんな内容の文書を送ったか」を公的に証明できる書留郵便のことです。内容証明は、郵便局で手続きすれば、個人でも送ることができます。

内容証明は、郵便事業株式会社の使用人(いわゆる社員)の中から総務大臣により「郵便認証司」として任命された者が、郵便法第58条に規定に基づき、認証することで証明とされます。

なお、内容証明に付加して利用出来るサービスには、速達郵便や本人限定郵便、配達日指定、配達証明、引受時刻証明などがあります。通常は「配達証明」を付けて利用されます。

内容証明の効果

内容証明は、あくまでも、送付した年月日、送付した内容、送付した事実を証明するものです。相手方を記載内容に従わせる強制力はありません。

しかし、内容証明を送ることは、法的手段に訴える前段階とも捉えられ、「これ以上問題解決が長引くようならしかるべき措置をとる」という強い意思を相手方に表明することが可能です。内容証明は、裁判において証拠として提出されることも少なくありません。

ちなみに、内容証明でない普通の手紙の場合は、相手方が「そのような手紙は受け取っていない」とか、「郵便は届いたがそんな内容は書いてなかった」などと主張したときに、反論の証拠を出すことができないため、証拠力が非常に弱くなってしまいます。

その点、内容証明であれば、そのような言い逃れをされる心配がありません。

また、クーリングオフや債権譲渡・時効中断などの場合は、送達された日付が重要な意味を持ちますから、確定日付のある内容証明以外のものは、法的効力が否定されたり、第三者に対する対抗力が認められなくなったりする場合もあります。

なお、通常の郵便であれば相手に無視されて終わっていたものが、内容証明を送ることで、事態が一気に動き出すというケースは多々あります。裁判は費用と時間がかかりますので、必要に応じて内容証明を活用して、問題を安価かつ早期に解決することを目指したいところです。

内容証明を利用する代表的ケース

どのような場合に内容証明を利用するのが効果的なのでしょうか。代表的なケースを見てみましょう。

  • 賃金や未払代金などの金銭債権の督促

例えば、商品を発送したにもかかわらず代金を支払ってもらえないといったケースです。こうした未払いは放置するクセになり、回収できないということにもなりかねません。内容証明を送り、支払えとの強い意思を相手方に表明することができます。

  • 商品の引渡し請求

未払金の督促とは逆のパターンです。代金を支払ったのに商品やサービスを一向に受け取れないというケースです。

商品の引き渡し請求を内容証明で送ることで、引渡しの強い意思を相手方に表明することになりますし、またいざという時の証拠にもなります。

  • 契約の解除通知

クーリングオフとは、一定の取引においては、契約を締結した場合でも、一定期間内であれば無条件で契約を解除できる制度です。

高額な商品を契約してしまったものの後悔した場合などは、すぐにクーリングオフの手続きをしておきたいものですが、その際、契約の解除通知を内容証明で相手に送付することで、しっかりとした証拠を残すことができます。

  • 損害賠償や慰謝料の請求

交通事故に関する損害賠償請求や、慰謝料請求でも内容証明を活用するケースがあります。セクハラを受けた場合や、不倫・離婚などパートナーの不貞が発覚した場合、慰謝料の請求が可能です。

  • 協議離婚や財産分割協議の申入れ

パートナーとの関係継続は無理と判断したときは、協議離婚の申入れに利用することができます。また、財産分割協議の申入れのときも同様です。

  • 養育費や財産分与の申入れ

扶養義務に基づき、別居中に生活費を請求できる場合や、財産分与を求めるときも、内容証明が利用できます。こういったケースでは、相手方は軽く見て、普通の手紙を送っても無視されることが少なくありません。内容証明を送ることで、こちら側に強い要求を相手方に表明することができます。

内容証明の書き方

内容証明には、紙で作成して郵便局に直接持ち込むものと、インターネットで電子的に申請するものがあります。

インターネットで申請できるものは、「電子内容証明郵便(e内容証明)」といい、Wordファイルで内容証明を作成し、インターネット上にアップロードすることで、郵便局が印刷・照合・封入を行い、内容証明として発送してくれます。

紙で作成して郵便局に直接持ち込むものは、「送り先に届くもの」「郵便局が保管するもの」「差出人控えとして保管するもの」の3部を用意する必要があります。

ところで、内容証明には、字数・行数に制限があり、以下の通りです。

<縦書き>

  • 1行20字以内、1枚26行以内

<横書き>

  • 1行20字以内、1枚26行以内
  • 1行13字以内、1枚40行以内
  • 1行26字以内、1枚20行以内

なお、「電子内容証明郵便(e内容証明)」で送る場合は、文字数は1枚あたり1,584 文字を目安に作成します。 内容証明には、「表題・通知内容・日付・相手の住所氏名・自分の住所氏名」を書くことが一般的です。なお、送り先が法人である場合や、自身が法人である場合は、法人名と代表者名を両方記載します。

内容証明の出し方と費用

内容証明は、すべての郵便局が扱っているわけではありません。本局などの集配業務をしている大きな郵便局(集配郵便局)か、地方郵政局長が特に指定した無集配郵便局に限られています。

取扱っている郵便局は、電話を架けて聞くか、インターネットの日本郵便のサイトからも検索することが可能です。

郵便局には、作成した内容証明3部と印鑑を持参します。万一、訂正が必要だった時のためです。郵便局で「内容証明を送りたい」と伝えれば、窓口で対応してもらえます。

内容証明の場合、専門の担当者が各行・各列の文字数などを丹念にチェックします。そして字数などの問題がなければ、呼ばれてから担当の郵便局員の目の前で3通のうちの1通(差出人・受取人ともに1名の場合)を封筒に入れて封を閉じ、その郵便局員に渡します。間違いがあった場合には、その場で指示に従って訂正します。

最後に、郵便局員から「書留郵便物受領書」というものを渡されます。 これは大切に保管しておいて下さい。

担当の郵便局員から「配達証明をつけますか?」と聞かれた時は、「つける」と回答したほうが良いでしょう。配達したことの証明として、利用することができます。

なお、内容証明は書留郵便ですので、追跡番号によって、今どこにあるのか、相手が受け取ったかなどをウェブで確認できます。

内容証明を送る場合、通常の郵便料金と一般書留の加算料金に加え、内容証明の加算料金がかかり、配達証明を付ける場合には配達証明の加算料金がかかります。加算料金は下記の通りです。

  • 一般書留の加算料金           435円(損害要償額が10万円までのもの)
  • 内容証明の加算料金           480円(2枚目以降は290円増)
  • 配達証明の加算料金           320円(差出時)    

たとえば、25gまでの定形郵便で送った場合、費用は下記の通りとなります。

郵便料金:84円+一般書留の加算料金:435円+内容証明の加算料金:440円+配達証明の加算料金:320円=合計1,279円   

また、速達で送った場合は290円(250gまで)が追加でかかります。

文案例

文案の一例として、実際に作成するためのテンプレートを紹介します。養育費の内容証明を作成するための参考にしてみてください。

                     催告通知書

○○○○殿

                                  令和○○年○月○日

被通知人

東京都○○区△△○丁目○番○号

○○ ○○ 殿

通知人

東京都○○市■■□丁目□番□号

●● ●●

 前略 私は、あなたと令和〇〇年〇月〇日付で協議離婚しましたが、その際、あなたとの間の子〇〇及び〇〇が成人するまで、1人あたり毎月○万円、計○万円の養育費を支払う旨、あなたは私に約束されました。

 ところが、その後は、令和〇〇年〇月以降の養育費支払いが一切ありません。そこで、私はあなたに対し、本書をもって、現在にいたるまでの滞納養育費合計〇〇円及び、今後毎月○万円ずつの養育費の支払いをご請求いたします。

 つきましては、本書面到達後1週間以内に、上記金額を下記の私名義口座あてに送金する方法で、ご入金ください。万一、入金が確認できない場合は、家庭裁判所における養育費請求調停などの手続きを取らざるを得ませんので、お含みおき下さい。

                                         草々

                     記

  ○○銀行 ○○支店

  普通預金 口座番号 ○○○○○○○

  口座名義人 ○○○○○○○

                                         以上

専門家に任せる安心感

個人で内容証明を送ると、相手方からレスポンスがあった場合もなかった場合も、その後の対応をどのように進めていいかわからない場合がよくあります。しかし、専門家に依頼すれば、その後のやり取りを納得しながら進めることができます。 対応に時間を割きすぎれば、本業に支障が出てしまうこともあるでしょうが、専門家に相談することで、心理的負担感は大きく軽減されるでしょう。また、内容証明送付後の自分自身の振る舞いについても、専門家からアドバイスを受けることができますので、専門家への相談も検討したらよいかもしれません。